
運転中の脱輪は、誰にでも起こり得るトラブルです。脱輪してしまうと自力での走行が困難になり、対処に困ることも少なくありません。
本記事では、脱輪した際の基本的な対処手順から自力での脱出方法、プロに依頼すべき状況、脱出後の車両チェックポイントまで詳しく解説します。道路の状況や天候によって対応が変わることもあるため、状況に応じた最適な脱出方法を身につけておきましょう。
脱輪とは?原因と発生しやすい状況
脱輪とは、車のタイヤが道路から外れて側溝や溝、泥地などに落ち込み、自力での走行が困難になる状態を指します。単にタイヤが道路から外れるだけでなく、車体が傾いたり、タイヤが宙に浮いたりすることもあります。
脱輪が発生する主な原因
脱輪は様々な原因で発生しますが、主に運転中の行動が影響します。
特に、狭い道路で対向車とすれ違う際に道路端に寄りすぎてしまうことや、夜間や悪天候で路肩や側溝が見えにくい状況では脱輪のリスクが高まります。また、雪道や泥道など路面状況が悪い場所を走行したり、未舗装の駐車場やキャンプ場の不安定な地面を走行する際にも、車が脱輪する可能性があります。さらに、バック駐車時に位置を誤り、側溝や段差に落ちてしまうこともあります。運転に不慣れな場合や、ハンドル操作を誤った場合にも脱輪を引き起こすことがあるため、十分な注意が必要です。脇見運転や注意散漫による進路のズレも、脱輪を招く原因となります。運転する際には、これらの状況に特に注意を払い、安全運転を心がけることが重要です。
脱輪が起きやすい場所と状況
特に以下のような場所や状況では脱輪のリスクが高まります。これらの場所を走行する際は通常以上に注意して運転することが大切です。
場所 | 脱輪リスクの理由 |
---|---|
路側帯のない狭い道路 | 対向車とのすれ違い時に道路端へ寄りすぎることがある |
側溝が多い住宅街 | U字溝や蓋のない側溝に落ちやすい |
工事現場周辺 | 路面状況が変化している可能性がある |
田舎道や農道 | 未舗装部分や路肩が崩れている場所がある |
雪道や雨で冠水した道路 | 側溝や路肩の位置が見えにくい |
砂利道や泥地 | タイヤが沈みやすく、脱出が困難になりやすい |
脱輪時の基本的な対処手順
脱輪した際には、焦らず冷静に対応することが最も重要です。まずは安全を確保し、状況を正確に把握した上で適切な対処を行いましょう。
安全確保と初期対応
脱輪に気づいた際は、まず何よりも周囲の安全を最優先に考えることが重要です。特に交通量の多い道路では、自身や同乗者、そして周囲の車両や歩行者の安全を確保するために、冷静に初期対応を行う必要があります。
脱輪した際には、まず、他の車両に異常を知らせるために、ハザードランプを点灯させましょう。続いて、状況確認やその後の作業を安全に行うために、エンジンを一度停止しましょう。そのうえで、乗員全員を車外へと誘導し、速やかに安全な場所へ避難させます。特に交通量の多い道路や高速道路では、車内にとどまるのは危険です。
次に、車載されている三角表示板がある場合は、それを車の後方に設置し、後続車に異常を知らせましょう。なお、高速道路では三角表示板の設置が義務付けられています。また、脱輪によって交通の妨げとなるおそれがある場合や、自力での対応が難しいと判断される場合には、警察(110番)に連絡することも検討してください。
落ち着いて一つひとつの対応を丁寧に行うことで、二次被害を防ぎ、安全な解決につながります。
状況の正確な把握
安全を確保したら、脱輪の状況を詳しく確認しましょう。自力での脱出が可能かどうかを判断するために、冷静に車両の状態や周囲の環境を以下のポイントに沿って観察しましょう。
- どのタイヤが脱輪しているか(前輪・後輪・左右)
- タイヤがどの程度沈んでいるか(軽度・中度・重度)
- 路面の状態(硬い地面・柔らかい泥地・雪・砂利など)
- 車体の傾き具合(水平に近いか大きく傾いているか)
- タイヤが空回りする可能性があるか
- 周辺に脱出の助けになるものがあるか(木の板、石、砂利など)
- 協力者がいるか、または呼べる状況か
これらの状況をしっかり把握することで、自力で脱出するか、ロードサービスなどのプロに依頼するかの判断することができます。車両の損傷リスクや二次被害の可能性が高い場合は、無理に自力脱出を試みず、専門家の助けを求めることも重要です。
自力での脱輪脱出方法
状況が軽度~中度の脱輪であれば、自力での脱出が可能な場合があります。状況に応じて最適な方法を選んでください。
前後進による基本的な脱出法
最も基本的な脱出方法は、前進と後退を繰り返す方法です。ただし、急激なアクセル操作は避け、ゆっくりと力を加えることが重要です。
前後進して脱出する際は、まず、ハンドルをまっすぐにして、タイヤが最も脱出しやすい方向を向くようにします。そのうえで、適切なギアを選択しましょう。マニュアル車であれば1速(前進)または2速(後退)を選び、オートマチック車であれば「D1」や「L」など、もっとも低いギアを選びましょう。
次に、アクセルをじわりと踏み込み、タイヤが空転しない程度の力で前進を試みます。もしタイヤが空転し始めたら、すぐにアクセルを緩めてください。空転が続くと、かえってタイヤが深く沈み込んでしまうおそれがあります。
前進での脱出が難しい場合は、後退を試してみるのも有効です。脱輪した地点まで戻る方向のほうが地面の状態が安定している場合もあるためです。前進と後退を数回リズミカルに繰り返すことで、車体が揺れてタイヤがグリップを取り戻し、脱出できるケースもあります。冷静に状況を見ながら、少しずつ車を動かしていくことがポイントです。
この方法は特に軽度の脱輪や、硬い地面での脱輪に効果的です。ただし、タイヤが空転を始めたらすぐに止め、別の方法を検討してください。空転を続けるとさらに状況が悪化する可能性があります。
滑り止め材を使用する方法
タイヤの下に滑り止め材を敷くことで、グリップ力を高め脱出しやすくなります。身近なものを有効活用することで、意外と簡単に脱出できることがあります。
使用できる滑り止め材には、以下のようなものがあります。
滑り止め材 | 特徴 | 使用方法 |
---|---|---|
木の板や角材 | 最も効果的で理想的な滑り止め材 | タイヤの前に敷き、ゆっくり前進 |
カーマット | ほとんどの車に積んである | タイヤの下に敷き、その上に乗るよう発進 |
毛布やカーペット | グリップ力を高める | タイヤの下にしっかり敷き込む |
砂利や小石 | 近くで調達しやすい | タイヤの前方に敷き詰める |
専用の脱出用マット | グリップ力が非常に高い | タイヤの下に敷き、ゆっくり前進 |
新聞紙や段ボール | 緊急時の一時的な代用品 | 何重にも重ねて使用 |
滑り止め材を使用する際は、まず、脱輪したタイヤの前方、つまり脱出したい方向に滑り止め材を敷きます。このとき、滑り止め材が走行中に飛ばないよう、できるだけタイヤの近くにしっかりと密着させるように配置することがポイントです。
準備が整ったら、車内に戻ってエンジンをかけ、適切なギアを選択します。そして、アクセルを急がずにゆっくりと踏み込み、タイヤが滑り止め材の上に乗るよう慎重に操作します。タイヤが滑り止め材にしっかりとグリップしたら、そのまま焦らずにゆっくりと前進し、車両が完全に脱出できるまで操作を続けてください。
この方法は、タイヤの空転を抑えながら脱出するのに有効な手段ですが、無理に力を加えるとタイヤが滑り止め材を弾き飛ばしてしまうこともあるため、落ち着いた操作が重要です。
この方法は特に雪道や泥地での脱輪に効果的です。ただし、滑り止め材が飛ばされて周囲に危険を及ぼす可能性もあるため、周りに人がいないことを確認してから行いましょう。
ジャッキを使用した脱出方法
車載のジャッキを使って脱輪したタイヤを持ち上げ、下に滑り止め材を敷く脱出方法もあります。ただし、作業には慎重さと安全への配慮が必要です。
ジャッキを使用して脱出を図る際には、まずは、車載のジャッキと工具を準備しましょう。次に、車種ごとに異なるジャッキアップポイントを確認し、適切な位置にジャッキを当てることが重要です。作業中の安全を確保するために、パーキングブレーキをしっかりと掛け、他のタイヤには輪止めを施して車両が動かないようにしましょう。
ジャッキは、脱輪していないタイヤの対角にあたる位置に設置し、車体をゆっくりと持ち上げます。このとき、完全にタイヤが浮くまで持ち上げる必要はなく、脱輪したタイヤの下に材料を敷ける程度で十分です。車体が持ち上がったら、脱輪したタイヤの下に木の板や石など安定した素材をしっかりと敷き込みます。その後、ジャッキをゆっくりと下げて車体を材料の上に乗せ、ジャッキを取り外してからゆっくりと発進し、脱出を試みます。
この方法を実行する際にはいくつかの注意点があります。まず、地面が柔らかい場所ではジャッキが沈み込んで不安定になる可能性があるため、使用は避けましょう。どうしても使用する場合は、ジャッキの下に板などを敷いて安定させる必要があります。また、ジャッキで車体を持ち上げている最中は、絶対に車の下に潜り込んではいけません。さらに、傾斜地や足場の悪い場所ではジャッキが転倒する恐れがあるため、この方法は危険です。最後に、車種によってはジャッキアップポイントが限られている場合があるため、必ず事前に取扱説明書を確認するようにしましょう。
複数人での押し出し方法
周囲に協力者がいる場合は、人力で車を押し出すことも有効な方法です。ただし、安全を確保した上で無理のない範囲で行うことが重要です。複数人で押し出す脱出方法は、以下のような手順で進めていくとよいでしょう。
- 協力者と共に安全な立ち位置を確認する
- 運転席に1人、押す側に1人以上配置する
- 押す方向を全員で確認する(脱輪していない方向へ押すのが効果的)
- 運転席の人はエンジンをかけ、適切なギアを選択する
- 合図を決め、全員で同時に力を入れる
- 運転席の人はアクセルをごく軽く踏み、車が動き始めたらそのまま脱出する
- 脱出したら必ず安全な場所に移動してから、協力者にお礼を言う
押し出しを行う際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、車は見た目以上に重く、押し出すには相当な力が必要になります。そのため、無理に力を入れると腰や手足を痛める危険があるため、自分の体力に見合った範囲で行動することが大切です。
また、車体が急に動き出すこともあるため、足元の位置や姿勢には十分注意してください。特に、タイヤが突然グリップを取り戻すと大きく前後に動くことがあり、不安定な姿勢でいると転倒や接触による怪我の原因になります。
さらに、坂道や傾斜地では、車が予想外の方向に動いてしまう危険性が高まります。このような場所では思わぬ事故につながる可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。
加えて、泥や雪の上では足元が滑りやすくなり、転倒や踏ん張りが利かなくなる場合があります。靴のグリップや地面の状態を確認し、安全な体勢を確保した上で作業を行ってください。
最後に、少しでも怪我をするリスクがあると感じた場合は、無理をせず、迷わず専門業者などプロの助けを求めるようにしましょう。安全第一の行動が、自分自身を守る最善の方法です。
この方法は特に軽自動車や小型車の軽度な脱輪に効果的です。ただし、安全が確保できない場合や、車が大きく重い場合は無理をせず、ロードサービスなどプロの助けを求めましょう。
ロードサービスを利用すべき状況
自力での脱出が難しい場合や危険を伴う場合は、迷わずプロのロードサービスを利用することが賢明です。
ロードサービスの種類と連絡方法
脱輪時に利用できるロードサービスにはいくつかの種類があります。事前に加入している自動車保険やカーディーラーのサービスを確認しておくことが大切です。
サービス提供元 | 特徴 | 連絡方法 |
---|---|---|
自動車保険のロードサービス | 保険に加入していれば無料または低料金で利用可能 | 保険証券に記載の緊急連絡先に電話 |
カーディーラーのサービス | 新車購入時などに付帯するサービス | ディーラーの緊急連絡先に電話 |
民間ロードサービス | 24時間対応の有料サービス | 各社の連絡先に電話 |
レッカー業者 | 地域の業者が対応、有料 | 地域の業者に直接電話 |
ロードサービスに連絡する際には、正確で具体的な情報を落ち着いて伝えることが重要です。まず、現在地をできる限り詳しく伝えましょう。住所が分かればそれを、分からない場合は近くの建物や標識など目印になるもの、またはスマートフォンのGPS機能を使って位置情報を伝えるとスムーズです。
次に、車の情報として車種や色、ナンバープレートの番号を伝えます。これにより、現場での車両の特定が容易になります。続いて、どのタイヤがどのような状態で脱輪しているか、例えば「左前輪が泥に深く沈んで動かない」といった具体的な状況を説明しましょう。
また、周囲の交通状況や危険があるかどうか、例えば「交通量が多く、路肩が狭い」といった情報も伝えてください。乗っている人数や怪我人がいるかどうかも必須の情報です。必要に応じて、救急への連絡も同時に行う必要があります。
さらに、自力での脱出を試みたか、その結果どうだったかを説明することで、オペレーターが現場の難易度を把握しやすくなります。そして、もし加入しているロードサービスの会員番号や、自動車保険の証券番号などがある場合は、それもあわせて伝えましょう。
このように、状況を具体的かつ簡潔に伝えることで、迅速で的確な対応が受けやすくなります。
ロードサービスを待つ間の注意点として、安全な場所で待機し、後続車への注意喚起のためにハザードランプを点灯させ続けることが重要です。また、夜間の場合は懐中電灯や反射材なども活用しましょう。
脱出後の車両チェックポイント
脱輪から無事に脱出した後は、安全な場所に移動して車両の状態を確認することが重要です。脱輪によって車の足回りや下回りにダメージが生じている可能性があります。
即時確認すべき項目
脱出直後には、以下の項目をすぐに確認して安全性を判断する必要があります。明らかな異常がある場合は、そのまま走行せず専門家に相談しましょう。
- タイヤの状態
- パンクや空気圧の低下がないか
- タイヤの側面に傷や変形がないか
- ホイールに曲がりや変形がないか
- ハンドル操作
- 真っ直ぐ走行できるか(直進安定性)
- ハンドルを切った時に異音がしないか
- ハンドル操作に違和感がないか
- 車体下部からの液体漏れ
- オイル、燃料、ブレーキ液などの漏れがないか
- 異臭がしないか
- 異音・異振動
- 走行中に異常な音や振動がないか
- ブレーキ操作時に異音がしないか
詳細点検が必要な箇所
脱輪の程度によっては、より詳細な点検が必要になる場合があります。以下の箇所は専門知識がなければプロに依頼するのが安心です。
点検箇所 | 確認ポイント | 異常時の症状 |
---|---|---|
足回り(サスペンション) | 変形、破損、取付部の緩み | 走行時の異音、振動、ふらつき |
ショックアブソーバー | オイル漏れ、効きの低下 | 乗り心地の悪化、車体の揺れ |
ドライブシャフト | 曲がり、ブーツの破損 | 発進・旋回時のカタカタ音 |
ホイールアライメント | 各種角度のずれ | 偏摩耗、直進安定性低下 |
ブレーキ系統 | ディスク・パッドの損傷、配管の破損 | 制動力低下、ブレーキ時の異音 |
マフラー | 変形、破損、脱落 | 排気音の変化、異音 |
エンジンアンダーカバー | 破損、脱落 | 下部からの異音、ガタつき |
以下のような症状がある場合は、すぐに整備工場での点検を受けましょう。
- ハンドルを真っ直ぐにしても車が直進しない
- 走行中に異音や振動が発生する
- ブレーキの効きが悪い、または片効きする
- タイヤの摩耗が急に不均一になった
- 車体下部から液体の漏れがある
- アイドリング時や加速時にエンジンの調子が悪い
脱輪からの脱出後は、たとえ外見上の問題がなくても、念のため低速で慎重に走行し、異常がないか確認することが大切です。少しでも違和感を覚えたら、無理をせず整備工場で点検を受けましょう。
脱輪時のNG行動と危険な対処法
脱輪した際に焦って取る行動の中には、状況を悪化させたり、車両に大きなダメージを与えたりする危険な対処法があります。ここでは、絶対に避けるべき行動について解説します。
タイヤを空転させ続ける危険性
脱輪時によくある間違いの一つが、アクセルを強く踏み続けることです。しかしタイヤの空転は状況を悪化させるため、以下のようなリスクを十分に理解しておく必要があります。
まず、タイヤが空転を繰り返すことで、土や砂を掘り下げてしまい、タイヤがさらに深く埋まって脱出が一層困難になります。また、空転状態が長く続くとタイヤが異常に加熱し、最悪の場合にはバースト(破裂)してしまう危険性もあります。
加えて、タイヤを無理に回そうとすることでクラッチやトランスミッションなどの駆動系に大きな負担がかかり、これが故障の原因となることもあります。さらに、空転によって泥や砂、小石が勢いよく飛び散ると、周囲の人や車両にぶつかって思わぬ事故を引き起こす可能性も否定できません。
最後に、脱出できないままアクセルを踏み続ける行為は、燃料を無駄に消費する結果となり、結果的に状況をさらに悪化させてしまう恐れがあります。
タイヤが空転し始めたら、すぐにアクセルを緩め、違う方法を試しましょう。空転を続けることは何の解決にもならず、むしろ状況を悪化させるだけです。
避けるべき危険な脱出方法
脱輪時に必ず避けるべき方法がいくつかあります。
まず、車を激しく揺らすとサスペンションや車体に大きな負担がかかり、破損の原因になるため避けるべきです。複数の車で牽引する場合、適切な牽引フックを使わないと車体を傷つける恐れがあります。
傾斜地や柔らかい地面でのジャッキアップは不安定で、車が落下する危険があるため控えましょう。ジャッキアップ中に車の下に潜り込むことも絶対に避けなければなりません。
また、無理な人数で押し出そうとすると、車が急に動き出して事故につながる可能性があります。タイヤの下にダンボールや紙などの可燃物を敷くことは、摩擦熱で発火する危険があるためやめてください。さらに、車体を無理にこじ上げるなどの行為は大きな損傷を招きます。
これらの危険な方法は、一時的に脱出できたとしても、車両に大きなダメージを与えたり、人身事故を引き起こしたりする可能性があります。状況が深刻な場合は、無理をせずプロのロードサービスを利用することが最善の選択です。
脱輪を予防するための運転テクニック
脱輪は、予防が最も重要です。ここでは、日常の運転で実践できる脱輪予防のためのテクニックを紹介します。
危険な道路状況での運転方法
脱輪リスクが高い道路では、特に慎重な運転を心がけることが大切です。以下のポイントを意識して運転しましょう。
- 狭い道路での注意点
- 速度を落とし、余裕を持った運転を心がける
- 対向車とのすれ違い時は無理に寄りすぎない
- 路肩や側溝の位置を事前に確認する
- 必要に応じて一時停止し、安全な通過ポイントを待つ
- 雨天・雪道での注意点
- 視界が悪い状況ではさらに速度を落とす
- 路肩や側溝が見えにくいため、センターラインを目安に走行
- 冠水している道路では水深が分からないため注意
- 雪で覆われた道路では路肩が判別しにくいため、轍を利用する
- 未舗装路での注意点
- 凸凹の少ない部分を選んで走行する
- 急なハンドル操作や加減速を避ける
- 地面の固さを確認しながら慎重に進む
- 泥地や砂地では一定の速度を保ち、急なブレーキを避ける
駐車時と車庫入れ時の脱輪防止策
駐車や車庫入れの際にも脱輪は起こりがちです。周囲の状況をしっかり確認して慎重に操作しましょう。以下は、駐車や車庫入れの際に脱輪を防ぐための注意点です。
- 駐車前の確認事項
- 駐車スペースの広さと周囲の障害物を確認
- 地面の状態(舗装/未舗装、平坦/傾斜)を確認
- 側溝や段差の位置を事前に把握
- 夜間は照明を活用して周囲を明るくする
- バック駐車の注意点
- サイドミラーとバックモニターを併用する
- 必要に応じて一度車から降りて状況確認
- バンパーセンサーの警告音に注意を払う
- 不安なら誘導してもらうか、別の場所に駐車
- 縦列駐車の注意点
- 歩道と車道の境界や段差に注意
- ハンドル操作は小さく、少しずつ行う
- タイヤと縁石の距離感を養う
- 駐車完了後も歩道側のタイヤ位置を確認
また、車種によって死角の位置や車体感覚が異なるため、普段乗り慣れていない車(レンタカーや代車など)での運転は特に注意が必要です。慣れるまでは余裕を持った運転を心がけましょう。
脱輪対策グッズと事前準備
脱輪時にすぐに対応できるよう、事前に車内に準備しておくと安心なアイテムがあります。特に長距離ドライブや山間部、雪国など脱輪リスクの高い地域を走行する際には、これらのグッズを揃えておくことをお勧めします。
車に常備しておきたい脱出用具
脱輪からの脱出に役立つアイテムを日頃から車内に準備しておくと、いざという時に便利です。
例えば、脱出用マット(トラクションマット)はタイヤの下に敷いてグリップ力を高めるためのもので、折りたたみ可能で収納しやすいものを選ぶと良いでしょう。また、折りたたみシャベルはタイヤ周辺の土砂を掘り出す際に役立つので、コンパクトで丈夫なものを用意しておくことをおすすめします。
牽引ロープは他車に牽引してもらう際に使用しますが、車両重量に適した強度のものを選ぶことが重要です。作業中の手の保護には、防水性がありグリップ力のある軍手や作業用手袋があると安心です。夜間の作業時には視認性の高い蛍光色の反射ベストを着用し、安全を確保しましょう。
懐中電灯は夜間の状況確認に必要で、防水性があり長時間使用できるものが便利です。後続車への注意喚起には法定サイズを満たした三角表示板を使用します。脱出後のタイヤの空気圧を確認するためには、精度の高いデジタル式のタイヤ空気圧計を用意しておくと安心です。
これらのアイテムはコンパクトなものを選び、トランクなどにまとめて収納しておくと良いでしょう。特に雪国や山間部を走行する機会が多い方は、脱出用マットは必須アイテムと言えます。
脱輪リスクを減らすための車両メンテナンス
日頃の車両メンテナンスも脱輪リスクを減らす重要な要素です。定期的な点検と整備を心がけましょう。
まずタイヤの管理では、適正な空気圧を維持することが欠かせません。空気圧が低すぎると接地面が広がり、脱輪のリスクが高まります。また、タイヤの摩耗状態をこまめに確認し、溝が減って滑りやすくなっていないかをチェックしましょう。季節に応じてタイヤを使い分けることも重要で、特に雪道を走行する際にはスタッドレスタイヤの装着が必須です。
足回りの点検も怠ってはいけません。サスペンションの劣化は車体の安定性を低下させ、ショックアブソーバーの効きが悪いと走行時に不安定になります。さらにステアリング系統の点検を行い、ハンドル操作の正確性を維持することも必要です。
また、夜間の運転に備えてヘッドライトの照度も定期的にチェックしましょう。最近の車には駐車支援機能が搭載されていることが多く、バックカメラやコーナーセンサーの定期点検も重要です。センサー類の汚れや破損がないか確認し、駐車支援システムが正常に動作しているかも必ずチェックしてください。
これらのメンテナンスは、脱輪予防だけでなく、車の安全性全般を高める効果もあります。特にタイヤの空気圧チェックは、ガソリンスタンドで給油する際など、定期的に行う習慣をつけると良いでしょう。
まとめ
脱輪は誰にでも起こり得るトラブルですが、冷静かつ適切な対応をすれば安全に脱出することができます。まず安全を確保し、状況を正確に把握することが何よりも重要です。軽度の脱輪であれば、前後進の繰り返しやタイヤ下への滑り止め材の設置など、自力での脱出方法を試してみましょう。
ただし、無理な脱出作業は車両の損傷や二次被害を招く恐れがあります。状況が深刻な場合や危険を感じる場合は、迷わずロードサービスなどプロの助けを求めることが賢明です。脱出後は必ず車両の状態を確認し、異常がある場合は専門家に点検してもらいましょう。

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