
突然の車両トラブル。「どうすればいいの?」とパニックになる前に、まずこの記事をお読みください。車の故障は誰にでも起こり得るトラブルですが、正しい知識があれば、安全かつ最小限の負担で乗り切ることが可能です。
この記事では、ロードサービスの基本から、保険やJAF、ディーラーごとの違い、具体的な呼び方、費用の仕組み、そしてトラブル別の応急対応までを網羅的に解説します。いざという時にあなたと大切な家族を守るための「お守り」として、ぜひ最後までお読みいただき、ブックマークに登録してください。
3分で分かるカーレスキューと「まず何をするか」

車のトラブルで路上に停止してしまった…その瞬間に頭が真っ白になるかもしれません。しかし、最も重要なのは安全の確保です。カーレスキュー(ロードサービス)とは、そのような自力走行不能になった車を救援するサービスの総称です。
もしもの時に最初に取るべき3つの行動
- 安全確保:ハザードランプを点灯させ、安全な場所に車を停める。後続車に合図(発炎筒・停止表示器材)を出し、全員ガードレールの外など安全な場所へ避難する。
- 状況確認:現在地(高速道路名、キロポスト、周辺の目印など)と車の状態(異音、異臭、警告灯など)を冷静に把握する。
- 連絡:加入している自動車保険のロードサービス窓口、JAF、またはディーラーに連絡する。
ひとことアドバイス
パニック状態では冷静な判断が難しくなります。まずは深呼吸をして、同乗者に声をかけ、落ち着いて行動することが何よりも重要です。無理な自力修理は絶対に避けてください。
仕組み:保険のロードサービス特約/JAF/クレカ付帯/ディーラーの違い

カーレスキューを提供している主体は複数あり、それぞれに特徴があります。ご自身の状況に最適なサービスを選ぶため、その違いを理解しておくことが重要です。
比較表「ロードサービス提供主体の違い」
【自動車保険特約】
主な特徴 | 保険契約に付帯。補償が手厚いことが多い。 |
けん引無料距離 | 会社・契約による(例:50km~無制限)。 |
現場応急処置 | バッテリー上がり、パンク、ガス欠、鍵開けなど幅広く対応。 |
費用 | 特約範囲内は無料。超過分は自己負担。 |
受付時間 | 24時間365日対応がほとんど。 |
重複加入時の優先度 | まずは保険会社へ連絡するのが一般的。補償範囲が広い傾向。 |
【JAF会員サービス】
主な特徴 | 「人にかかる」サービス。会員であればどの車でも利用可能。 |
けん引無料距離 | 15kmまで無料(2023年時点)。 |
現場応急処置 | 対応範囲が広い。30分程度の作業は無料の場合が多い。 |
費用 | 会員は多くの作業が無料。非会員は高額。 |
受付時間 | 24時間365日対応。 |
重複加入時の優先度 | 保険でカバーできない範囲(例:スタック)や、どの車でも使いたい場合に有効。 |
【クレジットカード付帯】
主な特徴 | カード特典の一つ。内容は限定的な場合が多い。 |
けん引無料距離 | カード会社による(例:10km程度)。 |
現場応急処置 | 基本的なトラブルに対応。作業内容は限定的。 |
費用 | 無料範囲は限定的。利用前に確認が必要。 |
受付時間 | 24時間対応が多いが要確認。 |
重複加入時の優先度 | 保険やJAFが無い場合の選択肢。 |
【ディーラーサービス】
主な特徴 | 自社ブランド車に特化。新車保証期間内は手厚い。 |
けん引無料距離 | ディーラー・契約による。 |
現場応急処置 | 限定的。自社工場への搬送が主。 |
費用 | 保証期間内は無料が多い。期間外は有料。 |
受付時間 | 営業時間内が基本。提携業者で24時間対応の場合も。 |
重複加入時の優先度 | ディーラーへの搬送を希望する場合に。 |
ひとことアドバイス
基本は、加入している自動車保険のロードサービス特約を使うのが最も合理的です。多くの保険会社が無料のけん引距離を長く設定しており、宿泊費や帰宅交通費の補償が付いていることもあります。まずはご自身の保険証券を確認してみましょう。
呼び方:最短で呼ぶ手順(一般道/高速道路)と通報フロー

実際にトラブルが発生した際、スムーズに救援を要請するための手順と伝え方のポイントを解説します。
ロードサービスを呼ぶ流れ
- 車両の安全確保をする(ハザード点灯、できる限り安全な場所へ停車、発炎筒や停止表示器材で後続車へ合図、全員で安全な場所へ避難)
- 現在地を正確に把握する(高速道路はキロポストやIC名、一般道は住所・交差点名・目標物、地図アプリの位置情報)。
- 連絡先へ電話する(加入保険のロードサービス、JAF、ディーラーなど)。
- 必要情報を正確に伝える(契約者情報、現在地、車種・ナンバー、症状、安全確保の状況、希望の搬送先)。
- 救援車の到着を安全な場所で待つ。
【状況別】誰に連絡すべきか?
高速道路・自動車専用道路の場合
- 安全確保を最優先し、110番(警察)または道路緊急ダイヤル(#9910)、非常電話で通報し、交通整理を依頼する。
- その後、加入している保険会社やJAFに連絡し、レッカーを要請する。
一般道路の場合
警察への通報は必須ではありませんが、交通の妨げになる場合は110番に連絡する。その後、保険会社やJAFに連絡する。
通話スクリプト(会話例)
オペレーター:
「はい、〇〇保険ロードサービスです。どうされましたか?」
あなた:
「車の故障で動かなくなりました。」
オペレーター:
「承知いたしました。まずはお客様の安全は確保できていますか?お車の状況と場所を教えてください。」
あなた:
・契約者情報:「契約者の〇〇です。証券番号は123456789です。」
・現在地:「(高速道路の場合)〇〇自動車道の上り線、△△インターと□□□□インターの間です。キロポストは123.4kmです。(一般道の場合)住所は〇〇県△△市□□町1-2-3、コンビニエンスストアの前です。」
・車種・車両情報:「車はトヨタのプリウスで、色は白です。ナンバーは品川300あ12-34です。」
・トラブルの症状:「エンジンがかかりません。キーを回すとカチカチという音がするだけです。バッテリー上がりだと思います。」
・安全確保の状況:「ハザードを点灯し、車は路肩に寄せています。後方に三角表示板を設置し、私と同乗者はガードレールの外に避難済みです。」
・希望の搬送先:「もし現場で復旧できなければ、最寄りの〇〇トヨタのディーラーまでけん引をお願いしたいです。」
ひとことアドバイス
スマートフォンのGPS機能と地図アプリは、現在地を特定する上で非常に強力なツールです。オペレーターに位置情報の共有を求められた場合は、指示に従いましょう。
費用:レッカー・出張・夜間割増の相場と「0円」にする条件

ロードサービスの費用は「どこまでが無料で、どこからが有料か」が最も気になるところです。無料サービスの範囲を正しく理解し、予期せぬ出費を避けましょう。
料金・無料条件 早見表
出張・基本料金 | - 無料になる主な条件:保険特約やJAF会員特典に含まれる - 有料になる主なケース:非会員での利用、無料範囲外の業者利用 - 費用の目安:8,000円~20,000円 |
現場応急作業費 | - 無料になる主な条件:30分程度のバッテリー上がり対応やパンク修理など - 有料になる主なケース:部品交換を伴う修理、特殊工具が必要な作業 - 費用の目安:10,000円~30,000円+部品代 |
けん引(レッカー) | - 無料になる主な条件:保険会社やJAFが定める無料距離内(例:15km、50km、180kmなど) - 有料になる主なケース:無料距離を超えた分、指定工場外への搬送 - 費用の目安:超過分 1kmあたり500円~800円 |
夜間・休日割増 | - 無料になる主な条件:特約で割増をカバー - 有料になる主なケース:20時~8時や休日の作業(特約対象外の場合) - 費用の目安:20%~30%の割増 |
二次搬送 | - 無料になる主な条件:一部特約で対応可能なこともある - 有料になる主なケース:一時保管場所から自宅や修理工場へ再搬送 - 費用の目安:実費(距離・業者による) |
その他特殊作業 | - 無料になる主な条件:— - 有料になる主なケース:落輪、横転、スタックからの引き上げ作業 - 費用の目安:20,000円~(難易度による) |
重要:上記はあくまで目安です。無料の範囲は契約内容によって大きく異なります。必ず保険証券や会員規約で確認してください。
ひとことアドバイス
多くの自動車保険では、ロードサービスを利用しても翌年の保険料(等級)に影響しないノーカウント事故として扱われます。ただし、故障が事故に起因し、車両保険などを使って修理した場合は等級がダウンします。利用前にオペレーターに等級への影響を確認すると安心です。
現場の安全確保:最優先すべき5つのステップ

路上で停止した際、何よりも優先すべきはあなた自身と同乗者の安全です。二次被害を防ぐため、以下の手順を徹底してください。
高速道路の安全確保チェックリスト
- ハザードランプを点灯させる
- 路肩に寄せて停車する(できるだけ広い場所へ)
- 発炎筒と停止表示器材を車両後方50m以上に設置する
- 全員で車外へ避難する(車内待機はしない)
- ガードレールの外側へ退避する
同乗者・ペットの対応
同乗者(特に子供や高齢者)がいる場合は、率先して安全な場所へ誘導してください。ペットは必ずリードをつけるか、キャリーケースに入れて一緒に避難します。高速道路上でペットを自由にさせるのは絶対に避けてください。
ひとことアドバイス
発炎筒は助手席の足元に、停止表示器材(三角表示板)はトランクに積んであることが多いです。高速道路上での停止表示器材の設置は法律上の義務です。事前に場所を確認し、使い方を一度シミュレーションしておくと、いざという時に慌てずに行動できます。
トラブル別の応急対応と判断基準
トラブルの原因によっては、簡単な確認や応急処置が可能な場合もあります。しかし、無理は禁物です。ここでは、各トラブルの判断基準と「やってよいこと/やってはいけないこと」を解説します。
トラブル別チェック表
エンジン | ・主な症状:オーバーヒート(H表示、甘い匂い、異音)/オイル警告灯点灯 ・やってよいこと:安全な場所に停車しエンジン停止/ボンネットを開け自然冷却 ・やってはいけないこと:すぐにラジエーターキャップを開ける/エンジンをかけ続ける |
バッテリー・電装系 | ・主な症状:エンジンがかからない(カチカチ音)/ライトが暗い ・やってよいこと:手順を理解している場合のみジャンプスタート ・やってはいけないこと:端子の極性を誤接続/濡れた手で触る |
タイヤ | ・主な症状:パンク・バースト/走行中の異音・振動 ・やってよいこと:安全な平坦地で交換(手順を熟知している場合)/パンク修理キット使用 ・やってはいけないこと:交通量の多い路肩での交換/ジャッキポイントの誤り |
燃料切れ | ・主な症状:息継ぎ後に停止/燃料計E ・やってよいこと:ロードサービスに燃料補給を依頼 ・やってはいけないこと:燃料の種類を誤る(軽油車にガソリン等) |
鍵の閉じ込み |
・主な症状:鍵を車内に残してロック ・やってよいこと:ロードサービスに解錠を依頼 ・やってはいけないこと:針金等でこじ開ける(損傷・防犯装置作動) |
EV・ハイブリッド車の注意点
- 高電圧システム:オレンジ色の高電圧ケーブルには触れない(感電の危険)。
- 静粛性:無音でもシステムが起動している場合があるため、必ず電源OFF。
- けん引・積載:原則フラットベッド型の積載車で搬送。依頼時にEVであることを伝える。
ひとことアドバイス
警告灯や異音・異臭は重要なサインです。少しでも異常を感じたら、無理せず専門家を呼びましょう。
ケーススタディ4選(状況別シミュレーション)

-
都市高速のカーブでタイヤがパンク
対応:ハザードを出し、見通しの良い直線部の路肩までゆっくり移動。安全確保後、非常電話か#9910で通報。保険会社に連絡し、交換またはレッカーを依頼。車内待機はしない。 -
山間部の夜道でエンジン停止
対応:広い場所に停車し安全確保。電波不安定を想定し、位置情報を正確に伝える。GPSのスクリーンショット保存。保険会社に連絡。到着まで防寒対策。 -
家族旅行先でバッテリー上がり
対応:同乗者を安心させ、ロードサービスに連絡。多くは30分〜1時間程度で到着しジャンプスタートで解決。 -
大雨・冠水道路で走行不能
対応:再始動を試みない。ウォーターハンマー防止のため、すぐに連絡しフラットベッド搬送を依頼。
失敗例10と回避策(NG行動・よくある誤解)

-
高速道路の車内で待機して追突された
→ ガードレール外へ避難。 -
契約先以外の業者を呼び高額請求
→ まず保険証券や会員証を確認し正規窓口へ。 -
無料と思い100kmけん引で超過料金
→ 無料範囲(距離)を事前確認。 -
オーバーヒート直後にラジエーターキャップを開け火傷
→ 完全冷却まで触れない。 -
不慣れなジャンプでショート
→ 不安ならプロに任せる。手順は「プラス→プラス、マイナス→ボディ」。 -
交通量の多い路肩でタイヤ交換
→ 安全確保できない場所ではレッカーを呼ぶ。 -
警察に連絡せず二次事故誘発
→ 高速道路上の停止は必ず110番。 -
レッカー同乗不可で移動手段に困る
→ 事前に同乗可否を確認。特約で交通費補償の有無も確認。 -
営業時間外の搬送で受入不可
→ 搬送先の営業時間を確認。一時保管も選択肢。 -
連絡先が分からず時間を浪費
→ 事前に電話帳登録と証券の写真保存。
保険活用術:特約の見極め、等級影響、ノーカウント扱い

- ロードサービス特約の確認(無料けん引距離、宿泊・帰宅費用、修理後搬送費用の有無と上限)。
- 等級への影響は原則ノーカウント(故障でロードサービスのみの場合)。
- 事故で車両保険を使うと等級ダウン(ロードサービス利用の有無ではなく保険金支払いの有無が影響)。
ひとことアドバイス
更新時にライフスタイルに合わせて特約内容を見直すと安心です。
事前準備:車載レスキューキット&スマホ情報カード
車載レスキューキット・チェックリスト(コピペしやすい二段構成)
必須アイテム |
・発炎筒(使用期限を確認) ・停止表示器材(三角表示板) ・車載ジャッキ・レンチ ・懐中電灯(LEDライト) ・自動車保険証券(コピーや写真でも可) ・緊急連絡先リスト |
あると便利 |
・ブースターケーブル ・パンク応急修理キット/空気入れ ・軍手・作業用手袋 ・モバイルバッテリー ・レインウェア・防寒具 ・反射材付き安全ベスト |
スマホに保存「緊急時情報カード」テンプレート
マイカー緊急時情報カード |
・保険会社名:〇〇海上火災保険 ・証券番号:1234567890 ・緊急連絡先(ロードサービス):0120-XXX-XXX ・契約者名:山田 太郎 ・車両ナンバー:品川300 あ 12-34 ・車種・年式:トヨタ プリウス 2022年式 |
主な無料サービス範囲(自分用メモ) |
・けん引無料距離:180kmまで ・宿泊費補償:あり(1名15,000円まで) ・帰宅交通費:あり(1名20,000円まで) ・JAF会員番号:1234-5678-9012 ・JAFロードサービス短縮ダイヤル:#8139 ・かかりつけディーラー連絡先:〇〇トヨタ 03-XXXX-XXXX |
よくある質問10(Q&A)

Q1. 無料のけん引距離を超えそうです。どうすればいいですか?
A1. 超過分は自己負担となります。相場は1kmあたり500円~800円程度です。依頼前にオペレーターへ概算を確認しましょう。
Q2. レッカーでディーラーに運んでもらった後、自宅までの交通手段は?
A2. 帰宅交通費補償特約があれば規定額まで補償。なければ自己負担です。
Q3. 同乗者もレッカー車に乗れますか?
A3. 乗車定員や安全規定で同乗不可が多いです。公共交通機関等を確保しましょう。
Q4. 夜中に遠方で故障。宿泊費は出ますか?
A4. 宿泊費用補償特約があれば上限内で補償。自宅からの距離条件なども要確認。
Q5. 一度運んだ後、別工場へ二次搬送したい。
A5. 原則有料です。最初の搬送先は慎重に決めましょう。
Q6. JAFと保険のロードサービス、両方入っているがどちらを使う?
A6. 一般的には保険のロードサービスを優先。状況によりJAFを使い分け。
Q7. どのくらいの故障なら現場対応可能?
A7. バッテリー上がり、鍵開け、ガス欠、スペア交換など30分程度の軽作業。部品交換は搬送に。
Q8. 高速道路の非常電話はどこに?
A8. おおむね1kmおきに設置。受話器を上げると道路管制センターに繋がります。
Q9. ペット同伴の場合は?
A9. 同乗不可が多いため、ペット可の移動手段を別途手配(多くは自己負担)。
Q10. リース車・レンタカーでのトラブルは?
A10. まず契約会社の緊急連絡先へ。付帯ロードサービスや保険の案内を受けられます。
まとめ&今すぐできる3つのアクション
車の突然のトラブルは不安ですが、「安全確保を最優先し、正しい連絡先に落ち着いて状況を伝える」ことができれば、必ず乗り切れます。備えは今すぐ始められます。
- 契約内容の確認:自動車保険証券で無料けん引距離と付帯補償(宿泊・帰宅費用など)を確認する。
- 連絡先の登録:保険会社のロードサービス専用ダイヤルとJAF(#8139)をスマホに登録する。
- レスキューキット整備:発炎筒の使用期限と停止表示器材の場所を確認する。

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