
運転中に遭遇する車のトラブルは、突然あなたの命や時間を奪う可能性があります。この車内常備品リストを参考に、万全のロードサービス装備を整え、予期せぬ事態に備えましょう。
命と時間を守るのは「見つけてもらえる装備」と「動かせる装備」
まずは命を守り、救援が来るまで安全を確保すること
車のトラブルで最も重要なのは、「人命優先」と「二次事故防止」です。
特に高速道路や視界の悪い場所で車が走行不能になった場合、後続車から「見つけてもらえる装備」(発炎筒、三角表示板、反射ベスト)と、その場から一時的に移動させる、あるいはエンジンを再始動させる「動かせる装備」(ブースターケーブル、牽引ロープ)が、命と時間を守る鍵となります。
複雑化した現代の故障は、自力での修理がほぼ不可能
現在の車は、エアフロセンサ(空気の量を測るセンサー)、O2センサ(排気ガスの酸素濃度を測るセンサー)、電子制御スロットルボディ(空気の通り道)、あるいはエンジンECU(車の頭脳)といった電子制御部品の塊です。
これらのどこか一つに異常が発生すると、エンジンチェックランプが点灯し、エンストや加速不良(エンジン不調)といった症状が現れます。
これらの不具合は、専門のスキャンツール(故障診断機)がなければ原因の特定すら困難であり、路上でドライバーが自力で修理することは現実的ではありません。
具体例:救援を待つ間にも装備は活躍する
例えば、停車中にバッテリー上がりを起こした場合、ブースターケーブルがあれば救援車から電気をもらって自力でエンジンを再始動できる可能性があります。
また、万が一、山間部で大きなエンジン故障(例えば、フューエルポンプ不良やインジェクタの不良など)で動けなくなっても、牽引ロープがあれば、安全な場所まで移動(牽引)してもらうことが可能になります。
常備品は、深刻な故障を防ぐためのものではなく、深刻なトラブルが発生した際に、二次被害を防ぎ、救援を待つまでの時間を安全に過ごすための「命綱」だと考えましょう。
安全を確保する装備:三角表示板・発炎筒・反射ベスト・LEDライト
昼夜問わず、遠くからでも停止を知らせる
安全を確保する装備は、特に視界の悪い夜間や、高速道路で停止した場合の二次事故防止に直結します。
追突事故を防ぐための法令上の義務と物理的防御
道路交通法により、高速道路などでやむを得ず停止する際には、三角表示板や発炎筒の設置が義務付けられています(法令上の具体的な設置条件の詳細は最新の案内を確認してください)。
発炎筒(または代替可能なLED式ライト)は、煙や強い光で後続車に停止を知らせる役割があります。また、ドライバーや同乗者が車外で作業や避難を行う際に反射ベストを着用すれば、遠くの車のライトに反射して自分の存在を知らせることができます。
具体例:設置位置が安全を分ける
三角表示板や発炎筒は、車から50〜100メートルほど離れた後方に設置するのが一般的です。
- 人命最優先: 設置作業を行う前に、必ず反射ベストを着用し、車外に出る際は、後続車に十分注意し、安全が確保できる最短時間で行ってください。
- 設置場所の優先順位: 装備品は、トランク手前や後席下など、万が一の衝突時に破損しにくい、かつすぐに取り出せる場所に収納しておくべきです。
三角表示板、発炎筒、反射ベスト、ライトは、車内常備品リストの最優先事項です。
電気トラブル対策:ブースターケーブル/ジャンプスターターの選び方
正しい手順を守れば、バッテリー上がりは自分で解決できる
バッテリー上がりは、ロードサービス依頼の中で最も多いトラブルの一つです。これは、単なる電力不足であり、ブースターケーブルまたはポータブルジャンプスターターがあれば自力で回復できる可能性があります。
ジャンピングスタートの仕組みと危険性
ブースターケーブルを使って救援車から電気をもらう作業(ジャンピングスタート)は、バッテリーが弱っていてもエンジンを始動させるために有効です。
ただし、接続手順を間違えると、ショート(短絡)したり、救援車や故障車の電気系統(ICレギュレーターなど)にダメージを与えたりする危険性があります。
また、ライトが暗い場合、その原因はバッテリーの弱りである可能性があり、エンジン回転を上げるとライトが明るくなる場合は、バッテリーが充電されていない状態(オルタネーターの故障やVベルトの緩み・切れが原因の可能性あり)を示していることがあります。
具体例:ブースターケーブルの正しい接続手順
ブースターケーブル(赤と黒の2本)を使用する場合、以下の手順を厳守してください。
- 救援車と故障車を近づけ、エンジンを止める。
- 赤いケーブルを、故障車のバッテリーのプラス端子に噛ませる。
- 赤いケーブルの反対側のクリップを、救援車のバッテリーのプラス端子に噛ませる。
- 黒いケーブルのクリップを、救援車のバッテリーのマイナス端子に噛ませる。
- 黒いケーブルの反対側のクリップを、故障車のエンジンブロックの金属部に噛ませる。故障車のバッテリーのマイナス端子に絶対噛ませないこと。
- 救援車のエンジンをかけ、そのまま5分くらい待つ。これにより、上がったバッテリーが少し充電され、エンジンがかかりやすくなります。
- アクセサリー類をすべてOFFにした状態で故障車のエンジンをかける。
接続を解除する際は、取り付けた時と逆の手順(黒いケーブルの故障車側から)で行うのが安全です。
ポータブルジャンプスターターは、他の車を必要とせず、手順も簡単なため、近年人気が高まっています。
ブースターケーブル選びの目安
(以下の数値は一般的な推奨情報に基づきます。)
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 太さ(ゲージ) | 8〜4ゲージ(細すぎると電流不足や発熱のリスクがあります) |
| 長さ | 2.5〜3.5m(救援車との距離を確保するため) |
| 材質 | 銅(CCAは性能要確認) |
| クリップ | 大口・強圧タイプ |
ブースターケーブルまたはポータブルジャンプスターターは、電気系統のトラブル対策として最優先で準備すべき常備品です。
走行不能への備え:牽引ロープ(静的/キネティック)とシャックルの基礎
最終手段としての牽引ロープは、牽引フックに正しく装着する
自走できない車を移動させるための牽引ロープは、ロードサービス装備の中でも特に重要な装備です。
もし牽引フックが見当たらない、または故障がエンジン以外の複雑な箇所(CVT内部チェーンの切れや変速不良、ABSシステム異常など)の場合、レッカーを呼ぶべきですが、軽微なスタックや短距離の移動には牽引ロープが役立ちます。
非指定箇所への牽引は車体破損の原因
牽引作業で最も危険なのは、牽引フックではない場所(サスペンションやバンパー)にロープをかけることです。
牽引ポイントは、必ず車両の取扱説明書で指定された箇所のみを使用してください。
指定外の場所にロープをかけると、車体構造の破損や、ロープが外れて重大な事故につながる恐れがあります。
具体例:ロープの種類と必要性
一般的に牽引ロープには、以下の種類があります。
- 静的ロープ: 伸びる性質が少ないため、引っ張る際に衝撃が大きくなりがちです。
- キネティックロープ(またはリカバリーロープ): 少し伸びて引っ張る力をなめらかにするロープ。スタックした車を引っ張る際に、衝撃を吸収し、車体やロープへの負担を軽減します。
- シャックル(金具): ロープと牽引フックを確実につなぐための重要な部品です。ロープに合った強度と形状のものを選んでください。
危険作業の警告
牽引作業は、知識と経験が必要です。高速道路や交通量の多い場所、急な坂道での牽引は非常に危険です。人命最優先とし、無理な自力牽引は避け、必ずプロのロードサービスに依頼してください。
タイヤトラブル対策:エアコンプレッサー・パンク修理材・テンパータイヤの可否
小さなパンクは修理材で対応可能だが、大きな損傷は専門家へ
タイヤのパンクは、装備があれば対処できる可能性のあるトラブルです。タイヤの空気圧不足は、タイヤが焼き付き(過熱し)異臭を発したり、大事故につながったりする危険な状態です。
空気圧管理と修理キットの有効範囲
タイヤの空気圧は、燃費や走行安定性に直結し、指定空気圧は運転席のドアなどに貼られたシールに記載されています。
- エアコンプレッサー: 携帯型のエアコンプレッサーがあれば、空気圧が不足した場合にすぐに補充できます。これにより、タイヤの異常な摩耗や過熱を防ぐことができます。
- パンク修理剤: 軽微な釘踏みなどによるパンクの場合、パンク修理剤(シーラント剤)をタイヤに注入し、エアコンプレッサーで空気を入れることで、一時的な応急処置が可能です。
具体例:自力修理が「ダメ」なケース
ただし、タイヤの側面や大きな裂け、あるいはホイールが破損している場合は、パンク修理剤での対応はダメです。
また、タイヤ内の空気が急激に抜けるような大きな損傷の場合も、自力で無理に作業をせず、プロのロードサービスを呼んでください。
また、フロントガラスのキズやヒビについても、紫外線に反応し硬化するUVレジンを使用した市販のリペアキットで修復が可能な「軽微なもの」と、「要交換」の大きなヒビがあります。もしヒビが大きい場合は無理に手を加えず、専門家に相談することが重要です。
エアコンプレッサーは空気圧の日常点検にも役立つ必需品であり、パンク修理剤と合わせて携行しておきましょう。
脱出補助:スノープレート・けん引ポイントの見分け方・滑り止めマット
雪道やぬかるみでのスタック対策は、トラクション(タイヤが路面をつかむ力)の回復が鍵
雪や泥でタイヤが空転し、車が動けなくなるスタック(脱出不能)状態は、牽引ロープでの救援を待つ前に、自力で脱出を試みるための装備が必要です。
駆動輪が空転すると深刻化する
タイヤが雪や泥で空転(スリップ)すると、さらに地面を掘り下げてしまい、スタックが深刻化します。この際、駆動輪(前輪または後輪)の下に摩擦力のあるものを噛ませ、トラクション(タイヤが路面をつかむ力)を回復させる必要性があります。
具体例:脱出補助アイテムの活用
- スノープレート/脱出ボード: タイヤの進行方向に差し込むことで、タイヤがグリップ(つかむ力)を得て脱出しやすくなります。
- 滑り止めマット: 専用品がない場合は、フロアマット(ただし、車外に置きっぱなしにしないよう注意)や砂、小石、木の枝などを利用することも可能です。
- けん引用ポイントの見分け方: スタックした場合、無理に引っ張ると車体や駆動系にダメージを与えます。牽引の際は、取扱説明書で指定された牽引フックの場所を再確認し、指定場所以外にロープをかけることは絶対ダメです。
冬の雪道での注意点
冬季には、燃料の凍結(軽油やガソリンが季節や地域に合わない販売地域で使われると固まること)や、サイドブレーキワイヤの凍結といった特有のトラブルもあります。
これらの場合は、自力での対処は難しく、プロのロードサービスに依頼してください。また、マフラー(排気管)の内部に溜まった水が凍結し、エンジンがかからなくなる(エンスト)事例もあり、これはマフラー内を温めたり、棒などで詰まりを取り除いたりして対処する必要がある場合があります。
脱出補助アイテムは、雪道やオフロード走行を計画している場合の緊急キット車に加えるべき、命綱的な装備です。
快適・安全の小物:作業手袋・レインウェア・ブランケット・モバイルバッテリー
トラブル発生時、作業手袋とライトは安全作業の基本
レスキュー装備は、故障修理のための本格的な工具である必要性はありませんが、安全かつ衛生的に作業を行うための小物は欠かせません。
ケガ防止と二次的な体調不良の予防
バッテリー周辺やエンジンルームには、鋭利な部品や高温になる部分、オイル漏れなどの汚れがあります。
- 作業手袋: 怪我の防止だけでなく、オイルや薬品による手の汚れを防ぎます。
- ライト(ヘッドライト): 発炎筒や三角表示板の設置、ブースターケーブルの接続など、夜間の作業にはLEDライトまたはヘッドライトが必須です。
- モバイルバッテリー: 連絡手段であるスマートフォンの電池切れを防ぎます。
具体例:夜間の電気トラブルとライトの重要性
ライトの異常は、単なる電球切れに見えても、配線の断線や、バッテリーの弱り、さらには発電機(オルタネーター)内部の故障が原因である場合もあります。
故障時の夜間作業では、確実に電源を確保するために、強力なLEDライト(予備電池またはモバイルバッテリーで充電可能なもの)を常備品に加えることが賢明です。
また、ヒューズが切れてライトが点灯しない場合、市販のヒューズと交換すれば回復できる可能性がありますが、ヒューズは目で見ても切れが分かりにくいものがあるため、予備のヒューズと交換用の工具(ヒューズプーラー)を用意しておくことも有効です。
ただし、容量の大きなヒューズを取り付けたり、針金などで代用したりすることは絶対ダメです。
作業手袋、ライト、モバイルバッテリーは、非常時の安全と快適性を保つための常備品リストの必須アイテムです。
車種別の違い:軽・ミニバン・SUV・EV/HV(高電圧には触れない)
車重と駆動方式、そしてEV/HVの高電圧システムへの絶対的な注意
ロードサービス装備を選ぶ際は、車の種類によって必要な牽引ロープの強度や、電気トラブルへの対応方法が異なります。
車重による負荷と電気システムの危険性
- 牽引ロープの強度: 軽自動車や小型車に比べ、ミニバンやSUVは車重が重いため、より強度の高い牽引ロープが必要になります。
- EV/HV(電気自動車・ハイブリッド車): これらの車には、駆動用の高電圧バッテリーが搭載されています。高電圧系統の配線はオレンジ色で識別されていることが多く、絶対に触れないでください。これは人命に関わる危険な行為です。ハイブリッドシステム警告ランプが点灯し、車が動かなくなった事例もあります(原因はウォーターポンプの不良など)。
- 12Vバッテリー: EV/HVであっても、普通の車と同様に12Vの補機バッテリーが搭載されており、バッテリー上がりは発生します。ブースターケーブルやポータブルジャンプスターターを使用する際は、必ず12Vの補機バッテリー端子に接続してください。高電圧システム(オレンジ色配線やユニット)には触れないよう、厳重に注意してください。
具体例:高電圧システム周辺のトラブルの複雑さ
ハイブリッド車(HV)の場合、ABSやVSAといった安全制御システムに異常が発生した際、専門的な学習作業(例:リニア弁オフセット学習)が必要となるなど、電子制御が複雑です。
このようなトラブルが発生した場合、自力での解決は不可能であり、すぐにロードサービスまたはディーラーに連絡し、整備工場へレッカー移動を依頼することが必須となります。
EV・HVオーナーは高電圧システムへの不用意な接触を避け、牽引を行う場合は車重に見合った牽引ロープを選ぶ必要性があります。
保管と点検:収納場所・定期チェック周期・使用期限
使いたい時に使えない装備は無意味。定期的な点検を
緊急キット車内の常備品は、いざという時に「どこにあるか」「使える状態か」が分からなければ意味がありません。
経年劣化と取り出しやすさの確保
発炎筒には使用期限があり、ブースターケーブルや牽引ロープも、被覆の破損や金具のサビ、ロープのほつれによって強度が低下します。また、トランク内の荷物に埋もれてしまい、取り出せないと意味がありません。
- 収納場所: 装備品は、運転席足元、トランク手前、または後席下など、すぐに取り出せる場所にまとめて収納しましょう。トランクの中で小物が散乱し、異音の原因となることもあります。
- エンジンオイルの劣化: オイルは使わなくても空気中の酸素や湿気に触れて劣化し、泥状のスラッジ(汚れ物質)が生成されます。オイル交換を怠ると、汚れが固着してエンジン性能が低下し、最終的にエンジン不調やエンストにつながります。
- 使用期限: 発炎筒は期限切れになると使えないため、期限の確認は特に重要です。
具体例:点検によって防げる電気系統のトラブル
車の電気系統は非常にデリケートです。
- コネクタの青錆(せいさび): ABSランプが点灯し、ABS故障コードが検出された原因が、サイドジャンクションボックスの集中コネクタ部分の青錆による接触不良だった事例があります。
- バッテリー端子の確認: ブースターケーブルやジャンプスターターを使用する際も、端子に腐食や緩みがないか確認し、半年ごとに被覆や金具をチェックすることが大切です。
常備品リストの点検と収納場所の確保は、ロードサービス装備を有効活用するための基本です。
点検チェックリスト(毎月/半年/年1回)
(点検内容、頻度は一般的な推奨事項に基づいて記載しています。)
| 項目 | 頻度 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 発炎筒 | 年1 | 使用期限・設置場所 |
| 三角表示板 | 半年 | 破損・反射面 |
| 反射ベスト・ライト | 月1 | 電池残量・点灯 |
| ブースター類 | 半年 | 被覆・サビ |
| 牽引ロープ | 半年 | ほつれ・金具 |
季節別の追加装備:冬(チェーン等)/夏(飲料・日除け)/豪雨(防水袋)
地域と季節に合わせた装備でトラブルを予防
基本的な常備品リストに加え、走行する季節や地域特有のトラブルに備える装備を追加する必要性があります。
気象条件が引き起こす特有の故障
極端な寒さや暑さ、あるいは豪雨は、車に予想外の負荷をかけます。
- 冬(寒冷地): タイヤチェーンや、凍結した窓を溶かすための解氷スプレーが必須です。特に軽油を使用するディーゼル車は、気温が低い地域や冬に燃料が凍結(燃料の凍結)し、エンジンが始動できなくなるトラブルが発生します。
- 夏(酷暑): 飲料水、日よけ、タオルなど、ドライバーと乗員の熱中症対策が重要です。また、エアコンの不調(A/Cランプ点滅、原因はマグネットクラッチリレー不良など)は運転を困難にします。
- 豪雨・水害: ゲリラ豪雨で車が浸水した場合、電子制御システムにダメージが及びます。重要な書類やモバイルバッテリーなどを守るための防水袋があると安心です。
具体例:タイヤチェーンと雪道対策の重要性
雪が積もった山道などでは、タイヤチェーンなしではトラクション(路面をつかむ力)を確保できず、スタックする可能性が高まります。雪道を走行する予定がある場合は、必ずチェーンを携行し、装着方法を確認しておきましょう。
また、マフラー内に溜まった水が凍結し、エンジンがかからなくなる事例もあるため、冬季の長期間停車後や寒冷地での駐車時には注意が必要です。
季節別の追加装備は、必携リストを補完し、その時期に特有のトラブルから身を守ります。
同乗者・家族のための準備:緊急連絡カード・通報テンプレ・位置共有の練習
誰でも冷静に対応できるよう情報を一元化する
トラブルは運転者だけでなく、同乗者にも影響を与えます。もし運転者が負傷したり、パニックになったりした場合に備え、誰でも救援を呼べるように準備が必要です。
パニック時こそ迅速な情報伝達が必要
事故や故障で動揺している時、保険会社の連絡先や車の情報(車種、ナンバー、現在地)を瞬時に思い出すのは難しいです。
- 緊急連絡カード: 保険会社(ロードサービス)、JAF、車の購入店、警察の連絡先、および自分の車の情報を記載したカードを、グローブボックスなど皆が知っている場所に常備しておきましょう。
- 通報テンプレ: 現場の状況(人命優先、負傷者の有無、二次事故防止のために何を設置したか)を簡潔に伝えられるように、伝えたい情報のリストを用意しておくとスムーズです。
具体例:複雑な故障時の状況説明
例えば、走行中にエンストしたり、エンジンチェックランプが点灯したりした場合、その症状(アイドリング不調、加速不良、異音など)をロードサービスに正確に伝えることが、迅速なレッカー手配につながります。
エンジン不調の例として、「走行中に息継ぎが起き、エンストする」という症状があり、原因がダイレクトコイルやスパークプラグの摩耗だった事例があります。
「ボロボロ音が大きくなりエンジンが止まってしまう」といった症状は、吸気系のガスケット(パッキン)が破れて排気ガスが漏れていることを示唆していることがあります。
これらの具体的な症状を救援要請時に伝えられるよう、カードにメモ欄を用意しておくのも有効です。
同乗者や家族も含めた情報共有と準備は、緊急キット車に匹敵する「安心」装備です。
予算別の揃え方
予算やカーライフに合わせて必携リストを段階的に拡充する
すべての装備を一度に揃えるのが難しい場合は、優先順位をつけて揃えていきましょう。
法令遵守と緊急度のバランス
ミニマムセットは、法令で義務付けられている発炎筒や、緊急性の高い安全確保と電気トラブル対策に絞ったものです。そこから標準セット、拡張セットへと進むことで、より幅広いトラブルに対応できるようになります。
具体例:優先すべき装備と必要性
最も優先すべきは、人命に関わる「見つけてもらえる装備」と、自走不能を回避する「ブースターケーブル」です。パンク修理剤やエアコンプレッサーは、レッカー移動を待たずに復帰できる可能性を高めます。
予算別おすすめセット
(以下の想定予算は一般的な価格帯に基づく例です。)
| セット | 想定予算 | 内容 |
|---|---|---|
| ミニマム | [例:3千円〜] | 三角表示板/発炎筒(またはLEDタイプ)/反射ベスト/作業手袋 |
| 標準 | [例:1万〜3万円] | ミニマム+ブースターケーブルまたはポータブルジャンプスターター/パンク修理剤/エアコンプレッサー/ライト |
| 拡張 | [例:3万円〜] | 標準+牽引ロープ/スノープレート/反射ベスト×人数分/防寒・防水アイテム |
予算に応じて、まずはミニマムセットを車内常備品リストに加え、徐々にロードサービス装備を充実させていきましょう。
まとめ&FAQ:優先順位の再確認とよくある質問(Q1〜Q5)
備えは心のお守り。装備と知識で安心なカーライフを
現代の車は高度に電子制御されており、エンジン不調の原因(例:カム角センサー不良、O2センサーヒーター断線、インジェクタの不良)は非常に複雑です。
だからこそ、現場での自力修理は期待せず、プロのロードサービスが到着するまでの「安全確保」と「初期対応」に特化した常備品を用意することが重要です。
- 再確認:安全と法令遵守
- 人命最優先: トラブル発生時は、まずハザード点灯、安全な場所への避難、そして三角表示板/発炎筒の設置による二次事故防止を徹底してください。
- 無理な作業はしない: 高電圧システムへの接触や、指定外の牽引フックへのロープ掛けは絶対ダメです。
- 定期的な点検: 発炎筒の使用期限やブースターケーブルの劣化を忘れずにチェックしましょう。
よくある質問(Q1〜Q5)
Q1:ポータブルジャンプスターターはEV/HV車に使えますか?
A:EV/HV車には、駆動用の高電圧バッテリーとは別に、通常の12V電装品を動かすための12Vの補機バッテリーが搭載されています。バッテリー上がりは、この12Vバッテリーで発生します。したがって、ポータブルジャンプスターターは、必ず指定された12Vの端子に接続すれば使用できます。しかし、オレンジ色で表示されている高電圧システムや配線には絶対に触れないでください。
Q2:牽引ロープで車を引っ張る際に、牽引フックの場所が分かりません。
A:牽引フックの場所は、車種によってフロントバンパーやリアバンパーのカバー内に隠されている場合が多いです。必ず車の取扱説明書を確認し、指定された場所にある牽引ポイント(牽引フック)のみを使用してください。指定場所以外にロープをかけると、バンパーや車体構造が破損するだけでなく、ロープが外れて重大な事故につながる可能性があります。
Q3:エンジンチェックランプが点灯しました。常備品で対処できますか?
A:エンジンチェックランプは、車の電子制御システムに異常があることを示しています。その原因は、O2センサーの不良やエアフローセンサーの特性異常、あるいはエンジンECUの不良など、非常に複雑で専門的な診断(G-scanなどのスキャンツール)が必要なものがほとんどです。車内常備品では根本的な修理は不可能です。速やかに安全な場所に停車し、ロードサービスを呼んで整備工場へレッカー移動を依頼してください。
Q4:パンク修理剤を使ったら、タイヤはそのまま走り続けられますか?
A:パンク修理剤はあくまで「応急処置」のための装備です。軽微なパンクであっても、修理剤注入後は、最寄りの修理工場やガソリンスタンドまで、指定された速度以下で安全に走行する必要があります。修理剤を使ったタイヤの本格的な修理や交換は、必ず専門の整備士に依頼してください。
Q5:ブースターケーブルで電気をもらった後、すぐにエンジンを切っても大丈夫ですか?
A:バッテリー上がりの原因が「単なる消し忘れ」であれば、エンジンをかけてしばらく走行すれば充電されますが、オルタネーター(発電機)の故障やベルトの緩みが原因の場合、バッテリーは充電されません。ブースターケーブルでエンジンがかかった後、ライトの明るさや、メーターパネルのチャージランプ(充電警告灯)が消えているかを確認しましょう。不安がある場合は、一旦エンジンを切らずに、そのままロードサービスや整備工場に連絡し、点検を受けることをお勧めします。
携行品&安全チェックリスト
| 分類 | 必携品 | 状態チェック |
|---|---|---|
| 安全確保 | 発炎筒(または代替LED式) | 使用期限/点灯確認 |
| 三角表示板 | 破損なし/反射面清掃 | |
| 反射ベスト(人数分推奨) | 視認性確保 | |
| 電気 | ブースターケーブルまたはポータブルジャンプスターター | 被覆・金具のサビなし/充電残量 |
| 予備ヒューズ&ヒューズプーラー | 適合サイズ確認 | |
| 移動・走行 | 牽引ロープ | ほつれ・金具の破損なし |
| エアコンプレッサー | 動作確認 | |
| パンク修理剤またはスペアタイヤ(テンパータイヤ) | 使用期限/空気圧 | |
| 小物・快適 | 作業手袋 | 清潔で破損なし |
| LEDライト(ヘッドライト推奨) | 電池残量/予備電池 | |
| モバイルバッテリー | 満充電 | |
| 緊急連絡カード | 最新情報に更新 |
安全・法令再確認
- 人命最優先。車外退避・後方警戒を徹底。
- 高速道路や悪天候では路上作業を最小限とし、道路会社・警察・保険/ロードサービスの指示に従う。
- 牽引ポイントは取扱説明書で指定箇所のみ使用。EV/HV車の高電圧部品(オレンジ色配線)には絶対に触れない。

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